これはとても残念なことなのですが、採用シーンに於いて、派遣社員としての経歴が不利に働くことがあるのは事実です。派遣社員として働いている方にも色々な方がいますからね・・・。「アルバイト感覚」「パート感覚」という言葉は適切ではないかも知れませんが(ここでは悪い意味で使わせて戴きます)、真剣にキャリアアップを考えてひた向きな努力を重ねている人、優秀なスペシャリスト達がいる一方で、いい加減な仕事をしている人、ロースキルな人も実に多いわけです。その結果、不幸にして良い人材に巡り逢えなかった企業、そもそも人材を見極める目を持たない企業では、自ずとそういう偏見が形成されてしまうのでしょう。
ですが、見る目のある企業(採用担当者)なら、(派遣で働いている方の中に)素晴らしい人材が多数埋もれていることを知っていますし、派遣社員の中からそういう人材を見つけだし、正社員としてスカウトする企業もたくさんあります。よく応募時に派遣経験を隠そうとする人がいますが、これは絶対にいけません。自分に自信が持てるなら、派遣での経歴やこれからのキャリアビジョンを堂々とアピールしてみて下さい。もしそれで応募先企業(採用担当者)に派遣経験を差別するような偏見を感じたら、そんな企業へは(どのみち入社してからも苦労させられますので)応募を即刻辞退した方がいい、と判断できるわけです。
今の世の中、もはや正社員だの派遣社員だのという雇用形態を論じることすら無意味に感じますが、職務分掌という意味に於いては、専門職や一般職(営業事務などの一般職も欧米では専門職として扱われます)は派遣社員に任せ、正社員採用は(管理職候補としての)総合職のみに絞る傾向が強いです。従って派遣社員から正社員へ代わる場合、求められる能力の大きな違いとしては、リーダーシップ、マネジメント能力、経営感覚、といった要素が挙げられます。つまり、採用に於ける考査ポイントはこれらであり、正社員を希望するのであれば、あなたがアピールすべき点はここなのです。
勿論、派遣社員として働いてきた場合には(働くポジション的に)これらの実務上の経験(肩書き等で職務経歴書上に現せるもの)はどうしても乏しくなりがちです。しかしながら、キャリアは経験のみで評価されるわけではありません。むしろこれらの要素は個々人のポリシーや倫理観、責任感、判断力、探究心、コミュニケーション能力などの個体差に起因するものであり、あなたが今日に至るまで何を考え、どのように生きてきたかに大きく依存します。言い換えれば「人となり」「ヒューマンスキル」「人間としての期待値」「人の心を掴む力」ということでしょうか。こればかりは小手先の小細工や一夜漬けでは通用しませんので、却って上手くアピールしようなんて思っちゃダメです。あくまでも構えず自然体で、借り物ではない自分の言葉で・・・。下手でもいいから、素のままの自分を素直にさらけ出すことが大切です。