男女雇用機会均等法が施行される前は就業規則で結婚退職を義務付けていた企業がかなりありましたが、未だに「慣例」として事実上強いる企業も多いようですね。勿論これは均等法違反です。ですが、雇用機会均等の問題は単純に法制度だけで解決するものではありません。結婚しても、夫婦だけであれば仕事と家庭の両立は充分に可能でしょうが、問題は子供が出来てからです。
こればかりは育児経験のある方でないとわからないでしょうが、仕事と育児の両立は決して甘くないものです。特に0歳児〜3歳児くらいの乳児・幼児を抱えていると、すぐに泣くし、熱は出すわ病気になるわ・・・もちろん炊事や洗濯、掃除もしなきゃならないし、それこそ(この時期に負担が大きくなりがちな)女性にとっては仕事どころじゃないのが現実でしょう。仮に夫婦で上手く役割分担出来たとしても、双方が共にフルタイム労働では、互いに仕事をセーブしない限り、どこかに無理が出て来るものです。
更に長時間労働が当たり前の日本では、子供が小学校低学年位までは同じような状況が続きます。延長保育や学童保育を利用しても、よほど職住至近でないと迎えの時間にも間に合いませんし、夕食の支度ができないうちに子供がいつも寝てしまう、いつも寝顔しか見られない、なんてことにもなります。たとえ物理的にはギリギリ両立可能でも、その状況が子供の発育や情緒教育に与える影響を考えると、少々疑問も残ります。
昔のように三世代同居とか気の置けない近所付き合いが当たり前であれば上手くバランスも取れるのでしょうが、残念ながら、今はこれを嫌う人が極めて多いですし、「結婚したいし仕事も続けたい、子供も欲しい、でも家事や育児はやりたくない」という女性すらいる。一方男性はと言うと、求婚する時は「家事も育児も半々」などと旨いことを言うけれど、いざ結婚してみると全くやる気がなかったり、仕事が多忙で出来なかったり・・・。仕事も家庭も両方手に入れようとするのは(男女を問わず)当然の権利でしょう。ですが、今の世の中、人心が(男女を問わず)権利ばかりを主張して義務を怠る傾向に傾き続けている・・・わがままと言えば、これがわがままだということになりますね。
男性がもっと家事や育児、地域社会に参加するようになれば女性も働き易くなるとは思いますが、そのためには(マクロな視点からは)長時間労働が当たり前に強いられる日本の労働慣習や商慣習を改め、男女を問わず育児休暇が取得しやすい労働環境を整備したり、国家レベルで労働時間を短縮する必要もあります。尤も、これは経済成長には逆行する施策ですから、その前提として、私たち一人ひとりが物欲や金銭欲、利己主義などに偏重しつつある価値観や意識を根底から変えて行く必要もあるわけです。回答になっていないかも知れませんが、あちらを立てればこちらが立たずということで、やはり難しい問題ですね。