戦略的には、在職中に転職活動を行った方が圧倒的に有利です。
退職してからの方が時間的にも余裕があり、転職活動に専念できるのは確かなのですが、現在の厳しい雇用情勢を鑑みると、たとえIT業界といえども希望に叶うような転職先がすぐに見つかるという保障はありません。また、在職中であれば常に現在の職場との比較対象の上でじっくりと転職活動を進めることができるのですが、辞職してしまった後では「転職しない」という選択肢が残りませんし、実際のところ、転職活動にはかなりの時間を要します。大手企業などでは書類審査から内定までに2〜3ヶ月かかる会社もざらですし、離職期間が長引くほど精神的にも「失業中」という不安感が募り、条件面での交渉も妥協してしまいがちになるからです。
と、ここまではよくある回答なのですが、在職中に転職活動を行うということは少なからず現在の勤務先に迷惑を掛けることになりますし、現職に対するモチベーションや道義的な問題も残ります。特にSEの方ですと、プロジェクトの進行中などは毎日が残業の連続で、休暇や早退で時間を捻出するのも殆ど不可能な状態になるのが現実でしょう。面接の度に嘘の口実を作り、忙しく働く同僚を後目に職場を抜け出すのは実に気が引けるものです。
結局のところ、在職中に転職活動を進めるか辞職してから行うかはご本人の価値判断に委ねられています。昨今では(利己主義全盛の世相を反映してか)転職希望者の大半が前者を選択する傾向にあるようですが、残りの方は依然として後者を選択しているのが実情で、更には意図せず転職を強いられる方も大変多いわけです。有利か不利かだけを論じるのであれば確かに前者の方が有利なのですが、「円満退職」や「けじめ」を尊重するのであれば「すっきりと辞めてから行う」という選択にも理があると言えます。
最近は「引き際」について考えさせられる報道も多いですね。どのような理由で転職をお考えなのかが分かりませんが、私見を言わせて戴けるなら、転職というのは人生の大きな転機です。自己を見つめ直す時間も必要ではないかと思うのですが・・・これは古い考え方なのかも知れません。