「市場価値」という言葉、あちこちに溢れていますね。私も過去の相談事例に於いて、無意識に使ってしまっていたかも知れません。ですが、そもそも、生身のヒトの価値を客観的に調べる方法などあり得るでしょうか?
何かに価値を認めるか否かは、結局、個々の主観に大きく委ねられるものです。そしてその判断基準はどんどん多種化し、変動し続けています。ある人は価格に価値を求め、ある人は品質に価値を求め、ある人は機能に価値を求め、ある人はデザインに価値を求め、ある人はコンセプトやポリシーに価値を求める・・・同じ商品であっても、買いたいと感じるか否か、高いか安いかは買い手の価値観に大きく左右されるわけです。
確かに、人の価値を客観的に示そうとする試み自体は色々あります。資格もそのひとつですし、サーチエンジンで「市場価値」と検索すれば、転職情報サイトや人材バンクの診断プログラムもずらりと並ぶでしょう。ですが、これらはいずれも形式的なビジネススキルや思考・行動特性等を偏差値や年収分布で体系化した画一的なプログラムに過ぎないことに注意して下さい。世の中のニーズは常に多様化し、変動し続けているのです。参考にするのは構いませんが、年収査定や偏差値に一喜一憂したり、模範として追従するのは考えものです。もはや今日のビジネス社会に於いては、画一的な偏差値エリートなど求められてはいないのです。
「組織への依存心」や「横並び意識」が邪魔をしているうちは、いつまで経っても「隣の芝生は青い」ままです。結局のところ、大切なのは、周囲の評価を気にすることなく、なりたい自分と今の自分とのギャップをどれだけ客観的に捉えることができるかではないでしょうか。人は自分に都合の良い情報ばかりを欲しがりますが、客観的になるということは、不都合な情報にも目を覆わない、自分が傷付く情報からも逃げないということです。そして、相手はあくまでも自分自身であることに気付いて下さい。常に自省を怠らず、ネガティブな要素をも真摯に受け止め、ポジティブな課題として向き合うことができるか・・・回答になっていなくて恐縮ですが、願わくば、相場観に動じない自己を確立していただきたいと思います。