あなたの仰る「キャリア」とは、育児を犠牲にしなければならないほど尊いものなのでしょうか。
以前にも申し上げましたが、キャリアとは、狭い意味での出世や社会的なステータスを意味する言葉ではありません。いつの間にか自己の損得勘定のために使う言葉に成り下がってしまったようですが、そもそもは人の「生き様」「生涯」を指し示す言葉であり、親として懸命に生きる足跡も尊いキャリアなのです。
確かに社会には様々な理不尽が存在します。営利追求という経済活動のみに走れば育児休暇はデメリット以外のなにものでもありませんから、実際のとろ、就業規則がどうあれ、企業という狭い枠内での処遇には少なからず影響が出ることも多いです。ひどい場合は左遷やリストラもあるでしょう。でもね、そんな逆風は、親になることの重さに比べれば、取るに足らないことなんです。本当に実力のある人であれば企業も放ってはおかないでしょうし、育児休暇を願い出て、もし冷たい視線を感じるような職場なら、思い切って捨てた方がいいのですよ。大丈夫です。もっと勇気を持ちましょう!
お子さんが生まれる前ではまだお解りにならないでしょうが、そもそも育児と仕事を天秤にかけること自体が誤りなのです。そりゃ、両立は大変ですよ。でもね、親になることは人生観を大きく変えます。子供が親を育んでくれるのです。その貴重な体験をどれだけ享受できるかは、あなたの人生において極めて大きな意味を持つでしょう。余談ですが、年を追う毎に荒れて行く成人式の様子をテレビで観ながら、男にとっての成人は父親になる時であるとつくづく感じました。正確に申し上げるなら、子供という尊い命に責任を持ち、主体的に育児に関わってこそ、男は初めて一人前の大人になれるのだと思います。こんな時代だからこそ、目先の損得に囚われない「人としてのキャリア」を大切にして下さい。