メリットとしては、退職金を前倒しで、しかも割増金が付加されるなど、有利な条件で貰えるということですね。早期退職は本来(選択権が個々の意志に委ねられるため)自己都合での退職なのですが、これを会社都合と看做す※ことで、退職金の支給額を自己都合の場合よりも有利な条件にするという仕組みです。更に割増金(給与数カ月分を退職金に上乗せ)を支給する企業もあります。自立志向の強い方であれば、これらを資本金として活用し、独立開業することも可能でしょう。
※退職事由が自己都合扱いとなるか会社都合扱いとなるかは企業により異なりますのでご注意下さい。自己都合か会社都合かで失業保険(雇用保険)や先々の年金支給条件が異なります。また、退職金に関わる税額も勤続年数により違いがあります(所得控除額が異なります)のでご注意下さい。
デメリットとしては、やはり「退職=失業」ですから、先の保障が何もないということでしょうか。対象となるのが中高年齢層ということで、一部の有能な方を除いては再就職も困難を極めます。本来ならば、再就職や自立、独立開業を支援する仕組みと抱き合わせで運用されるべきだと思うのですが、現状のところは「円満解雇のための手切金」として企業側のエゴだけで実施されているというのが実情です。
早期退職制度を実施した企業は雇用削減による収益率回復で(一時的には株価が上がるなど)見掛けの業績回復こそ示しますが、(実際には退職を促したい人ほど残り、有能な人材ほど流出するため)労働品質の低下や労働力不足が製品品質やサービスクオリティの低下を招き、長期的には緩やかな業績下落カーブを描くなど、現状ではどうも上手く機能してはいません。現状の制度は株主の顔色を窺うためのその場しのぎの施策に過ぎないと言えるのではないでしょうか。いずれにせよ「出るも地獄、残るも地獄」です。早期退職制度に応募するか否かは、「独立するか、企業再建の志士として残るか」の選択でなければならないのです。