従来の傾向を見る限り、求職者数は4月が山で12月が谷、求人数は3〜4月と9〜10月に二つの山を迎えます。その結果として求人倍率(求人数/求職者数)は9〜10月にピークを迎えますので、確率上はこの時期が最も転職しやすいとは言えます。しかしながら、ここ数年での月単位での変動幅は山と谷のピークを比較してもせいぜい10%〜20%以内の差に留まる微々たる状況ですので、従来の通説「年度代わりと夏のボーナス後が断然有利」はもはや通じなくなりつつある状況です。
この原因としては、やはり終身雇用制度の崩壊と成果主義の台頭が挙げられます。これによって企業に於ける採用活動の定期性要因(人材育成、昇進、昇給、異動など)が意味を持たなくなったためです。実際のところ、昨今では大手企業での正社員を前提とした中途採用ですらプロジェクト単位で行われるなど、採用活動は半期から四半期単位での事業展開に大きく左右されるようになって来ています。特に技術系は顕著ですね。つまり、現在活発に採用活動を行っている企業でも、事業展開次第で三か月後から半年後にはリストラ活動に転じる可能性もあり、当然ながらその逆もあるわけです。残念なことですが、人材もまるで機械の部品のように扱われているというのが実情です。勿論、業界業種毎の景気動向や企業毎の決算動向といった要素も企業の採用活動を大きく左右します。
見方を変えれば、逆にこれらの動向を追うことで、どの業界のどんな企業で何時どういう求人がどの程度発生するかはプロの転職コンサルタントでなくても(尤も、プロでもここまで把握できる人は稀少ですが)ある程度の予測が可能ということになります。勿論「やりたいこと」が最優先であり「転職の目的」が明確であることが大前提ですから、決して相場観で動いて欲しくはないのですが、ベストマッチの求人と出逢いたいなら、日頃から業界研究・企業研究を怠らないようにすることも大切ですね。