「二社連続で経営悪化」ということですが、なぜそうなったのか、あなたは正しく理解できているでしょうか?理解できているのなら、今回のご相談に対する回答はあなたが一番良く知り得ているはずです。一方、もし「なんだかわからないうちに・・・」ということであれば、失礼ながら、問題の本質はあなた自身にあると感じます。
はっきり申し上げますが、経営悪化の責任は経営者側のみにあるわけではありません。「何故あなたは経営悪化を食い止められなかったのか?」「何故あなたは企業再建に挑まなかったのか?」もしこう問われたら、あなたは一体何と答えるでしょうか。奇しくも近頃は企業再生関連の話題が尽きませんが、たとえ経営者がどんなに馬鹿であろうが、どんな独裁者であろうが、どんな詐欺師であろうが、それを放置した責任は働く側一人ひとりにあるのです。
景気が幾分回復傾向にあると言われる昨今、確かに大手では黒字転換する企業も増えて来ましたが、その僅かな黒字はどん底で喘いでいる中小零細企業や個人事業主の犠牲の上にかろうじて成り立つ脆い薄氷のようなものです。一説に依れば、現存する企業が10年後も存続する確率は僅か4%未満だと言われています。もはや寄り掛かる幹などどこにもないのですよ。毎度辛辣で恐縮ですが、会社の見極め方云々以前にあなたが取り組むべきは、己の甘えを捨て去ること、保身感覚を捨てること、組織に頼った生き方から脱却することではないかと思います。
さて、本来ならばここで筆を止めるところなのですが、「回答になっていないじゃないか!」とお叱りを受けそうなので少々加筆させていただきますと、企業選択に於いて絶対に欠いてはいけない判断基準は「そこに自分の能力を発揮できる環境があるか?」であり、見極めるべきは、やはり「人」です。一番良い方法は経営者を問い詰めてみることですが、一番簡単な方法は「職場の空気」を読むことです。以前、意中の会社の社員食堂に通い詰めた猛者の話をさせて戴いたことがありますが、職場に活気があり、程よい緊張感の中で社員が伸び伸びと仕事をしている会社は強いです。一方、はっきりと物事が言えない雰囲気が感じられる、上司の顔色ばかりを窺う素振りが見られるような会社はいずれ潰れます。なにも社員食堂に足を運べと言っているのではありませんが、本当に欲しいものは、嘘ばかりを垂れ流すメディアや他人の手を借りることなく、ご自身の眼で、ご自身の耳で実際に確かめるようにしてはいかがでしょうか。